
「お日さまが気持ちいいわね」
「そうね、春が来たって感じね」
「私たちは今年も花を咲かせることができたわね」
「嬉しい限りよね」
「私たちはこうして毎年花を咲かせるわけだけれど、私たちを見ている人はどんな風に思っているのかいしら?」
「感じ方は人それぞれよね。綺麗な色、綺麗な花と愛でてくれる人。私たちが咲くのを待ってくれている人。まったく気にも留めない人。中には荒らしていくひどい人もいたりして・・・。」
「まったくひどい人もいるわよね。 まあ、私たちにはそういういろいろな感情を形にはできないけれどね。 ただただ自分の華やげる生を精一杯全うするだけ。」
「そうね。私たちが輝けるときを大切にしているだけ。」
「今年はいつまで輝いていられるかしら?」
「いずれ今年も輝ける時間は終わりが来るのよ。 そしてまた来年私たちの分身たちが同じように輝ける時間を全うしていく。その繰り返しね。」
「そうしてまた同じようなおしゃべりをしているのでしょうね。」
「そうかもしれないわね。」
「ああ、風が心地いいわね。」
「そうね。あら、私たちを見ている人がいるわよ。」
「おすまししちゃおうかしら、うふふ・・・。」